プレスリリースの書き方と配信方法|メディア掲載を獲得するコツの実践ガイド

はじめに

若手オーナーの皆様、日々の店舗運営、本当にお疲れ様でございます。素晴らしい料理やこだわり抜いた空間を創り上げ、お客様に最高の体験を提供するため、昼夜問わずご尽力されていることと存じます。しかし、その情熱や努力が、なかなか世の中に広く伝わらず、集客やブランディングに課題を感じていらっしゃる方も少なくないのではないでしょうか。

売上は堅調でも利益が出にくい、SNSでの集客手法が手探り、といったお悩みは、私もこれまでの経験の中で多くのオーナー様から伺ってきました。特に、メディア掲載となると「大手企業がするもの」「広告費がかかるもの」といったイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、ご安心ください。実は、私たちのような個店や中小企業でも、工夫次第でメディアの注目を集め、費用をかけずに効果的なPRを実現する方法があります。それが、「プレスリリース」を活用した戦略的な情報発信です。

本ガイドでは、飲食店のオーナー様がご自身のビジネスをメディアに効果的に伝え、メディア掲載を獲得するための具体的なプレスリリースの書き方から配信方法、そして「もう一歩」踏み込んだコツまでを、実践的な視点から詳細に解説してまいります。私も現場上がりの一人として、皆様の「想い」を形にするため、伴走者としてサポートさせていただきます。この実践ガイドが、皆様の店舗が持つ唯一無二の魅力を世の中に広め、新たな飛躍へと繋がる一助となれば幸いです。

プレスリリースとは? 飲食店のオーナーが知るべき基本

プレスリリースとは、企業や団体が自社の新しい情報や活動を、広く一般に知らせることを目的に、報道機関(新聞、雑誌、テレビ、Webメディアなど)に向けて発表する公式文書のことです。

「広告」とは異なり、プレスリリースは報道機関が「ニュース性がある」と判断した場合に記事として取り上げられるため、その情報には高い信頼性が伴います。読者や視聴者は、広告よりも客観的な情報として受け取る傾向が強く、これがプレスリリース最大のメリットと言えるでしょう。

広告とプレスリリースの違い

項目広告プレスリリース
費用基本的に費用が発生する原則として費用は発生しない
目的商品・サービスの直接的な購買を促す情報を提供し、メディアに取り上げてもらう
情報源企業自身メディア(第三者)
信頼性低い(宣伝と見なされやすい)高い(客観的な情報として受け止められやすい)
掲載可否広告費を支払えば原則掲載されるメディアの判断に委ねられる(ニュース性が必要)
メッセージコントロール可能報道機関の編集方針によって表現が変わる可能性あり

なぜ飲食店がプレスリリースを出すべきなのか

飲食店がプレスリリースを活用することには、以下のような多岐にわたるメリットがあります。

  • ブランドイメージの向上と信頼性獲得
    メディアに取り上げられることで、店舗の権威性や信頼性が飛躍的に高まります。第三者の視点からの評価は、お客様にとって安心材料となり、ブランドイメージの向上に直結します。
  • 新規顧客の獲得
    テレビ、雑誌、Webメディアなどで紹介されることで、これまで店舗の存在を知らなかった層にもリーチできます。特に、特定のテーマに特化したメディアからの掲載は、潜在顧客への効果的なアプローチとなります。
  • 既存顧客のリピート促進とロイヤルティ向上
    「行きつけのお店がメディアに取り上げられた」という事実は、既存顧客にとっても嬉しいニュースであり、お店への愛着(ロイヤルティ)を高めるきっかけとなります。友人や知人に自信を持って紹介する材料にもなるでしょう。
  • 採用ブランディングへの貢献
    メディアに露出することで、店舗の魅力や働きがいが外部にも伝わりやすくなります。採用活動においても「メディア掲載実績のある店」として、優秀な人材の獲得に繋がりやすくなります。
  • 競合店との差別化
    メディア掲載は、単なる広告以上のインパクトを持ち、他の飲食店との差別化を図る強力なツールとなります。特に、地域密着型の飲食店にとっては、地域の情報誌やWebメディアからの露出は絶大な効果を発揮します。
  • 低コストでの広報活動
    広告費をかけることなく、広範囲に情報を届けることができるため、コストパフォーマンスに優れた広報活動が可能です。

メディアが求める情報とは何か

メディアがプレスリリースを取り上げるかどうかは、「ニュース性」があるかどうかにかかっています。単なる宣伝文句ではなく、読者や視聴者にとって「知りたい」「面白い」「役に立つ」情報である必要があります。具体的には、以下のような要素が挙げられます。

  • 新規性: 新しい商品、サービス、店舗、技術、取り組みなど。
  • 社会性: 社会問題の解決に貢献する取り組み、地域活性化、環境配慮など。
  • 話題性: 季節限定、期間限定、イベント、コラボレーション、ユニークな企画など。
  • 地域性: 地域ならではの食材、文化、歴史に根ざした情報、地域住民にとって関心の高い情報。
  • 意外性・独自性: 他にはない特別なこだわり、店主のユニークな経歴、感動的なストーリーなど。
  • 季節性: 旬の食材を使ったメニュー、季節のイベントに合わせた企画など。

これらの要素を意識して、自店のどこにニュース性があるのかを見極めることが、メディア掲載への第一歩となります。

メディアに刺さるプレスリリースの「ネタ」の見つけ方

「うちのお店にそんな大したニュースなんてないよ…」とお思いかもしれません。しかし、ご安心ください。日々の店舗運営の中にこそ、メディアが注目する「ネタ」は隠されています。大切なのは、単なる商品紹介ではなく、「ストーリー」「背景」を伝えることです。

皆様が料理や空間に込めている「想い」こそが、唯一無二のニュースとなり得るのです。

新メニュー・新店舗オープン以外のネタ探し

一般的な新メニューや新店舗オープンも重要なネタですが、それ以外にも目を向けることで、より多くのチャンスが生まれます。

  • 季節限定・期間限定の企画
    • 旬の食材を使ったスペシャルメニューやコース。
    • クリスマス、バレンタイン、ハロウィンなど、季節のイベントに合わせた限定企画。
    • 「〇〇(食材名)フェア」といった、特定の食材を深掘りした企画。
  • 地域貢献・社会貢献の取り組み
    • 地元の農家や漁師と連携した食材の仕入れ、その背景にある物語。
    • フードロス削減への取り組み、そのための具体的な工夫。
    • 地域イベントへの参加や協力、チャリティ活動。
    • 高齢者や子供向けの食事提供、地域住民へのサービス。
  • コラボレーション企画
    • 他の飲食店、異業種(アパレル、雑貨店、ギャラリーなど)、アーティストとの共同企画。
    • 地元酒蔵とのペアリング企画、クラフトビールブルワリーとのコラボメニュー。
  • 店主やスタッフのストーリー
    • 店主の修行時代のエピソード、料理人になったきっかけ、店をオープンするまでの苦労と情熱。
    • 料理や食材に対する並々ならぬこだわり、独自の調理法。
    • お店のコンセプトに込められた想い、お客様へのメッセージ。
    • スタッフのユニークな経験やスキル、お客様との感動的なエピソード。
  • 店舗の歴史や記念日
    • 開店〇周年記念イベント、限定メニュー、キャンペーン。
    • お店の移転やリニューアル、それに伴う新たな挑戦。
    • お店の創業秘話、受け継がれてきた伝統。
  • 社会トレンドとの連動
    • 健康志向の高まりに応えるヴィーガンメニューやグルテンフリー対応。
    • テイクアウト・デリバリーサービスの強化、コロナ禍での新しい取り組み。
    • SDGsへの貢献、サステナブルな経営。

「ストーリーテリング」で心に響くニュースを創る

メディアは、単なる事実よりも「人々の心を動かす物語」を求めています。皆様の店舗には、必ず語るべきストーリーがあります。

  • 「なぜその食材を使うのか?」
    生産者の顔が見える食材へのこだわり、その食材が持つ背景や歴史、店主の想いを語る。
  • 「なぜこのメニューを開発したのか?」
    開発に至った経緯、苦労話、お客様に届けたい体験やメッセージ。
  • 「なぜこの場所で、この店を営むのか?」
    地域の魅力への共感、地域住民との繋がり、店を通じて実現したい夢。

これらの問いに向き合い、具体的なエピソードを交えながら語ることで、メディアも読者も感情移入しやすくなります。お客様が「このお店に行きたい!」と思うきっかけは、美味しい料理だけでなく、その背景にある「物語」に心を揺さぶられるからかもしれません。

実践! プレスリリースの書き方と構成要素(テンプレート付き)

さあ、いよいよ実践です。メディアに「ニュース性がある」と判断してもらうためには、プレスリリースが一定のフォーマットに則り、分かりやすく、魅力的に書かれていることが重要です。ここでは、飲食店のプレスリリースに特化した書き方と、必須の構成要素を具体的に解説します。

プレスリリースの基本的な構成要素

以下が、プレスリリースの主要な構成要素です。この順序で情報を整理することで、メディア担当者が必要な情報を効率よく把握できるようになります。

  1. 発信元企業名/団体名: 最上部に明記。
  2. 日付: 発信する日付を記載。
  3. 「プレスリリース」表記: 一番目立つように記載。「報道関係者各位」と追記することも多い。
  4. タイトル: 記事の顔。キャッチーで、かつ内容が分かりやすいものに。
  5. サブタイトル(任意): タイトルを補足し、詳細情報を加える。
  6. リード文: プレスリリース全体の要約。5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)を盛り込む。
  7. 本文: リード文で触れた内容を具体的に解説。背景、詳細、こだわり、エピソードなどを盛り込む。
  8. 補足情報: メニュー詳細、店舗情報(URL、SNS、地図URLなど)、写真・画像素材へのリンク。
  9. 会社概要: 運営会社名、代表者名、所在地、事業内容など。
  10. 本件に関するお問い合わせ先: メディアからの問い合わせ窓口(担当部署、担当者名、電話番号、メールアドレス)。

各要素の書き方とポイント

1. タイトル:キャッチーで具体的に

タイトルは、メディア担当者が最初に目にする部分であり、読み進めてもらうための最も重要な要素です。

  • ニュース性を明確に: 「〇〇が新登場!」「〇〇で初の試み」など、何が新しい情報なのかを端的に示す。
  • ターゲットを意識: 誰にとって魅力的な情報なのか、具体的に伝わるように工夫する。
  • 数字やキーワードを入れる: 「限定〇食」「〇日より提供開始」など、具体的な情報で目を引く。
  • 店舗名・メニュー名を入れる: どこが、何を、提供するのかを明確に。

良い例:
「【店名】が地元の〇〇豚を100%使用した『究極のとんかつ定食』を〇月〇日より提供開始!生産者の想いを繋ぐ一皿で地域活性化に貢献」

悪い例:
「新メニュー登場のお知らせ」

2. リード文:5W1Hを盛り込み、要点を凝縮

リード文は、プレスリリースの要約であり、本文を読まずとも概要が把握できるように書くことが求められます。メディア担当者は忙しいため、リード文で「ニュース性」を感じなければ、そこで読むのをやめてしまう可能性が高いです。

  • 5W1Hを必ず盛り込む:
    • When(いつ): 新メニュー提供開始日、イベント開催日など。
    • Where(どこで): 店舗名、所在地。
    • Who(誰が): 会社名、店舗名。
    • What(何を): 新メニュー、イベント内容など。
    • Why(なぜ): 開発背景、目的、提供する想い。
    • How(どのように): 具体的な内容や特徴。
  • 簡潔に、しかし魅力的に: 100〜200字程度でまとめるのが理想です。

例文:
「〇〇株式会社(所在地:東京都〇〇、代表:〇〇〇〇)が運営する「〇〇〇〇(店舗名)」は、この度、地元〇〇県の契約農家が丹精込めて育てた幻の〇〇野菜をふんだんに使用した「彩り野菜のヘルシープレート」(〇〇円・税別)を、〇月〇日(〇)より期間限定で提供開始いたします。地産地消を推進し、季節の移ろいを食を通じてお客様にお届けすることで、地域活性化に貢献してまいります。」

3. 本文:詳細情報、背景、ストーリー

リード文で示した内容を、具体的に、そして魅力的に深掘りする部分です。読者の「もっと知りたい」という気持ちに応えるように記述します。

  • 商品の詳細: メニュー名、価格、具体的な食材、調理法、こだわりポイント。
  • 開発の背景・想い: なぜこのメニューを開発したのか、店主やシェフの込めた想い、苦労話、エピソード。
  • ターゲット層: どのようなお客様に届けたいのか。
  • 期待される効果: 提供することで、お客様にどのような体験をしてもらいたいのか。
  • 店舗の強み・特徴: 他店との差別化ポイント、お店のコンセプト。

ポイント:

  • 箇条書きを活用: メニューの詳細や特徴などは、箇条書きで整理すると読みやすくなります。
  • 五感を刺激する表現: 「芳醇な香り」「とろける舌触り」「鮮やかな色彩」など、食欲をそそる言葉を使う。
  • ストーリーを具体的に: 生産者の顔が見える食材であれば、その生産者との出会いやエピソードを具体的に書く。

4. 店舗概要

店舗の基本情報を正確に記載します。

  • 店舗名
  • 所在地
  • 電話番号
  • 営業時間
  • 定休日
  • 席数
  • 公式ウェブサイトURL
  • SNSアカウントURL(Instagram, Xなど)
  • 交通アクセス(最寄駅からの徒歩分数など)

5. 本件に関するお問い合わせ先

メディア担当者が情報確認や取材依頼をする際に、スムーズに連絡が取れるように、必ず正確な連絡先を記載します。

  • 企業名/店舗名
  • 担当部署(広報担当、店長など)
  • 担当者名
  • 電話番号
  • FAX番号(任意)
  • メールアドレス(必須)
  • 受付時間

プレスリリーステンプレート(飲食業向け)

[日付]例:2023年10月27日報道関係者各位[発信元企業名/団体名]例:株式会社〇〇〇〇**プレスリリース**------------------------------------------------------------------------------------**[タイトル]**【[店舗名]】が地元の〇〇豚を100%使用した『究極のとんかつ定食』を〇月〇日より提供開始!生産者の想いを繋ぐ一皿で地域活性化に貢献------------------------------------------------------------------------------------[リード文]〇〇株式会社(所在地:東京都〇〇、代表:〇〇〇〇)が運営する「〇〇〇〇(店舗名)」は、この度、地元〇〇県の契約農家が丹精込めて育てた幻の〇〇豚を100%使用した「究極のとんかつ定食」(〇〇円・税別)を、〇月〇日(〇)より期間限定で提供開始いたします。この新メニューは、店主が自ら〇〇県の養豚場を訪れて見出した「〇〇豚」の豊かな風味と、独自の熟成技術が生み出す旨味を最大限に引き出した逸品です。地産地消を推進し、生産者の想いを食を通じてお客様にお届けすることで、地域活性化に貢献してまいります。**【本文】****■ 究極のとんかつ定食 開発の背景**[店舗名]では、「お客様に最高の食体験を」をコンセプトに、素材の味を最大限に活かした料理を提供しております。今回、〇〇豚との出会いにより、その稀少性と生産者の情熱に感銘を受け、この素晴らしい食材をより多くの方に知っていただきたいという想いから、新メニューの開発に至りました。〇〇豚は、[〇〇な飼育環境]で育ち、[〇〇な特徴]を持つことから、「幻の豚」と称されています。**■ 「究極のとんかつ定食」のこだわり***   **厳選された〇〇豚の旨味**: 〇〇豚のロース肉を厚切りにし、低温でじっくりと火を通すことで、[〇〇な味わい]と[〇〇な食感]を引き出しました。*   **秘伝の衣と揚げ方**: 〇〇種類の小麦粉をブレンドした特製衣を使用し、[〇〇度の油]で二度揚げすることで、[サクサクとした食感]と[ジューシーな肉汁]を閉じ込めています。*   **自家製〇〇ソース**: 〇〇県産の〇〇をベースに、[〇〇な調味料]をブレンドした、とんかつとの相性抜群のオリジナルソースです。*   **地元の農家が育てる旬の野菜**: 定食に添えられるキャベツや小鉢の野菜も、地元の契約農家から仕入れた新鮮な旬の食材を使用しています。**■ 商品概要***   商品名:究極のとんかつ定食*   価格:〇〇円(税込)*   提供開始日:〇〇年〇月〇日(〇)~*   提供時間:ランチタイム 〇時~〇時 / ディナータイム 〇時~〇時*   備考:一日〇食限定**■ 店舗概要***   店舗名:[店舗名]*   所在地:〒〇〇〇-〇〇〇〇 東京都〇〇区〇〇〇〇〇〇〇〇 [地図URL]*   電話番号:〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇*   営業時間:[例:月~金 11:30~14:30 / 17:00~22:00、土日祝 11:30~22:00]*   定休日:[例:火曜日]*   席数:〇席*   公式ウェブサイト:[URL]*   公式Instagram:[URL]*   公式X(旧Twitter):[URL]*   交通アクセス:〇〇線〇〇駅 徒歩〇分**■ 会社概要***   会社名:株式会社〇〇〇〇*   代表者:代表取締役 〇〇〇〇*   所在地:〒〇〇〇-〇〇〇〇 東京都〇〇区〇〇〇〇〇〇〇〇*   設立:〇〇年〇月*   事業内容:飲食店の経営*   URL:[URL]**【本件に関するお問い合わせ先】**株式会社〇〇〇〇 広報担当:〇〇 〇〇電話:〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇Email:info@example.com

プレスリリースを確実に届ける! 配信方法とメディア戦略

せっかく素晴らしいプレスリリースを作成しても、適切なメディアに届かなければ意味がありません。ここでは、プレスリリースを効果的に配信し、メディア掲載に繋げるための戦略と具体的な方法を解説します。

1. 配信先の選定:ターゲットメディアを絞る

闇雲に多くのメディアに送るのではなく、自店の情報に関心を持つ可能性が高いメディアに絞ってアプローチすることが重要です。

  • 食専門誌・グルメWebメディア:
    • 例:「dancyu」「食べログマガジン」「Rettyグルメニュース」など。
    • 新メニュー、こだわり食材、店主のストーリーなど、専門性の高い情報を求めています。
  • 地域情報誌・地域Webメディア:
    • 例:各地域の情報誌、自治体運営のWebサイト、地域のフリーペーパーなど。
    • 地域密着型の取り組み、地元食材の使用、地域イベントへの参加などは高い関心を集めます。
  • ライフスタイル誌・Webメディア:
    • 例:「Hanako」「OZmagazine」「ELLE gourmet」など。
    • 店舗の雰囲気、空間デザイン、インスタ映えするメニュー、新しいライフスタイルを提案する企画などが好まれます。
  • 経済誌・ビジネスWebメディア:
    • 例:「日経MJ」「Forbes JAPAN」など。
    • 経営戦略、ユニークなビジネスモデル、社会貢献活動、事業拡大に関する情報など。
  • テレビ・ラジオ:
    • 例:各局のニュース番組、情報番組。
    • 旬の食材、話題性のある新メニュー、地域密着の取り組みなどが取り上げられやすいです。視覚的な魅力も重要。
  • インフルエンサー・ブロガー:
    • 近年、特に影響力が大きい存在です。食に特化したインフルエンサーや、地域の情報に詳しいブロガーに直接アプローチするのも有効です。

2. 配信サービス利用と直接アプローチ

プレスリリースの配信方法は大きく分けて2つあります。

2-1. プレスリリース配信サービスの活用

費用はかかりますが、多くのメディアに効率的に情報を届けられるのがメリットです。

  • メリット:
    • 数千〜数万件のメディアリストへの一斉配信が可能。
    • 広報専門家によるリリース作成アドバイスや添削サービスがある場合も。
    • Web上での掲載(二次利用)により、情報の拡散やSEO効果も期待できる。
  • デメリット:
    • 費用が発生する(数万円〜)。
    • 画一的な配信になりがちで、個別のメディアへのカスタマイズが難しい。
  • 主要サービス例:
    • PR TIMES
    • 共同通信PRワイヤー
    • アットプレス など

2-2. メディアへの直接アプローチ

費用はかかりませんが、時間と労力がかかります。しかし、ターゲットメディアに直接届けるため、掲載の確度は高まります。

  • メディアリストの作成:
    • 具体的な方法:
      • 普段読んでいる雑誌やWebサイトの奥付や問い合わせ先に記載されている編集部や記者の連絡先を調べる。
      • 掲載を希望するメディアの過去記事を読み込み、担当記者やライターの名前を特定する。
      • 記者クラブに登録されたメディアリストを参照する(飲食業界専門の記者クラブがあれば尚良い)。
      • SNS(Xなど)で飲食系記者やライターをフォローし、DMでアプローチする。
  • メールでの送付:
    • プレスリリース本文はメールの添付ファイル(PDF形式が推奨)またはメール本文に直接貼り付け。
    • メールの件名でプレスリリースの内容がわかるように工夫する。
    • 媒体名、記者名を明記し、なぜその媒体に送ったのか、自店と媒体との関連性を一言添えるなど、パーソナライズされたメッセージを心がける。
    • 写真素材の提供: 高画質な写真(料理、店舗外観、内観、店主の顔写真など)を別途データとして提供できるように準備する。ギガファイル便などのファイル転送サービスを利用すると良いでしょう。
  • 郵送:
    • 緊急性のない情報や、特に丁寧なアプローチをしたい場合に有効。
    • 封筒に「プレスリリース在中」と記載し、目立つようにする。
  • 電話:
    • プレスリリース送付後、数日経っても連絡がない場合、メディア担当者に電話で確認するのも一つの手です。ただし、忙しい時間帯を避け、簡潔に用件を伝えるようにしましょう。

3. メディアとの関係構築

一度掲載されたら終わりではありません。メディアとの良好な関係を築くことで、継続的な掲載に繋がりやすくなります。

  • 定期的な情報提供: ニュース性のある情報があれば、継続的にプレスリリースを送る。
  • イベントへの招待: 新メニュー試食会、開店記念パーティー、プレス向け内覧会などにメディアを招待する。
  • 取材協力: 取材依頼があった際には、迅速かつ丁寧に対応し、求められる情報や素材を積極的に提供する。
  • 掲載後のお礼: 記事が掲載されたら、必ずお礼の連絡を入れる。

4. 効果的な配信タイミング

情報が最も注目されるタイミングを狙って配信することも重要です。

  • 曜日・時間帯:
    • 一般的に、火曜日〜木曜日の午前中(9時〜11時頃)が最も読まれやすいと言われています。
    • 月曜日は週の始まりで忙しく、金曜日や週末は情報が流れやすい傾向があります。
  • イベント告知の逆算:
    • イベント開催日や新メニュー提供開始日の約2〜3週間前に配信するのが目安です。
    • 雑誌の場合は、発行の1〜2ヶ月前には情報を送る必要があります。
  • 競合他社の情報と重ならないように:
    • 事前に競合他社のプレスリリースなどをチェックし、情報が埋もれないようなタイミングを選ぶのも一考です。

5. SNSを活用した情報拡散

プレスリリースを配信した後は、自社のSNSでも積極的に情報を発信しましょう。

  • 公式アカウントでの告知: X、Instagram、Facebookなどでプレスリリースの内容を簡潔に紹介し、詳細へのリンクを貼る。
  • メディア掲載後の拡散: メディアに掲載された記事のURLを共有し、「〇〇に掲載されました!」と報告する。これにより、お客様への信頼性アピールにも繋がります。
  • ハッシュタグの活用: 関連するハッシュタグ(#新メニュー #地域グルメ #店名 など)を付けて、検索からの流入を促す。

メディア掲載を獲得するための「もう一歩」のコツ

プレスリリースを作成し、配信するだけでも十分な効果は期待できますが、さらに一歩踏み込むことで、メディア掲載の確度を格段に高めることができます。現場上がりの私だからこそお伝えしたい、実践的なコツを共有いたします。

1. 写真の重要性:プロの力を借りる、あるいはスマホで魅せる

「食」を扱う飲食店にとって、写真は最も重要なアピールツールです。メディア担当者が最初に目にするのは、タイトルと写真かもしれません。

  • プロのカメラマンに依頼するメリット:
    • 料理の彩り、質感、湯気やシズル感をプロの技術で最大限に引き出せます。
    • 店舗の雰囲気、こだわり、店主の想いを写真一枚で表現できます。
    • 高画質な写真は、メディア掲載時の見栄えを大きく左右し、テレビや雑誌での使用にも耐えられます。
    • 一度撮影すれば、ウェブサイト、SNS、店内POPなど多方面で活用できます。
    • 費用はかかりますが、長期的な視点で見れば十分な投資対効果が見込めます。
  • スマホで撮影する際のコツ:
    • 自然光を活用: 窓際など、明るい場所で撮影しましょう。フラッシュはNG。
    • アングル: 真上からの俯瞰(ふかん)撮影、料理に寄ったクローズアップ、店内の雰囲気を含めた構図など、様々なアングルを試しましょう。
    • 背景: 余計なものが写り込まないよう、シンプルで清潔感のある背景を選びましょう。
    • 彩度・明るさ: 無料の編集アプリで少し調整するだけでも見違えるようになりますが、やりすぎは禁物です。
    • 複数枚用意: メイン料理だけでなく、箸上げ、食材のアップ、調理風景、店主の笑顔など、多角的に魅力を伝える写真を複数枚用意しましょう。

2. 試食会の開催:メディアを「体験」させる

特に新メニューやこだわりのコースを打ち出す際は、メディア関係者を招待する試食会が非常に効果的です。

  • 目的: 実際に料理を味わってもらい、店舗の雰囲気や店主の想いを直接体験してもらうこと。
  • 実施方法:
    • 招待するメディアを選定(食専門誌、グルメWebメディア、地域情報誌など)。
    • 試食会開催の案内状(プレスリリースとは別に、招待状として)を送り、参加者を募る。
    • 開催日時・場所を明記し、参加費は無料とするのが一般的です。
    • 試食会当日は、店主やシェフ自らが料理の説明や開発秘話を語る時間を設ける。
    • 質疑応答の時間を設け、メディアからの質問に丁寧に答える。
    • 高画質な料理写真や店舗写真、店主のプロフィールなどが入った「メディアキット」を配布する。
    • 参加者には、SNSでの発信を促す(ハッシュタグの案内など)。

3. メディアキットの準備:必要な情報をワンパッケージで

メディアキットとは、メディア関係者が記事を作成する際に必要となる情報をまとめた資料です。事前に準備しておくことで、メディアからの問い合わせに迅速に対応でき、取材の手間を省くことができます。

  • メディアキットに含める内容:
    • 店舗ロゴデータ(高解像度、各種フォーマット)
    • 店舗外観・内観写真(高画質)
    • 代表メニューの写真(高画質、複数枚)
    • 店主・シェフの顔写真とプロフィール
    • 会社概要・店舗概要(プレスリリースと重複しても良い)
    • お店のコンセプトやこだわりをまとめた資料
    • 過去のメディア掲載実績(あれば)

これらのデータをクラウドストレージ(Google Drive, Dropboxなど)にまとめておき、プレスリリース送付時にダウンロードURLを記載しておくと、メディア担当者は必要な時にすぐにアクセスでき、非常に便利です。

4. 継続的な情報発信の重要性

一度きりのプレスリリースで満足せず、ニュース性のある情報があれば継続的に発信し続けることが大切です。

  • 季節のメニュー: 旬の食材を使った限定メニューは、定期的な情報発信のネタになります。
  • イベント: ハロウィン、クリスマス、記念日など、季節ごとのイベント企画。
  • 顧客の声: お客様からの反響を元にした新サービスの開始など。
  • 地域との連携: 地元自治体や企業との共同プロジェクトなど。

継続することで、メディアとの関係も深まり、「この店は面白い情報を定期的に発信している」という印象を与え、次の掲載へと繋がりやすくなります。

5. メディアへの感謝と掲載後の活用

無事にメディア掲載が叶ったら、掲載してくれたメディアへ必ずお礼を伝えましょう。そして、その掲載を最大限に活用してください。

  • お礼の連絡: 掲載記事のURLを添えて、感謝のメールを送る。
  • 店舗での告知: 店内に掲載誌を置く、記事のコピーを掲示する、WebサイトやSNSで「〇〇に掲載されました!」と告知する。
  • 採用活動での活用: 「メディア掲載実績のあるお店」として、求人情報に記載する。

これらの「もう一歩」の取り組みが、皆様の店舗がメディアの心に響き、多くの人々に愛される存在へと成長するための大きな原動力となるはずです。

まとめ

本ガイドでは、飲食店のオーナー様がメディア掲載を獲得するためのプレスリリースの書き方から配信方法、そして「もう一歩」踏み込んだ実践的なコツまでを解説してまいりました。

プレスリリースは、単なる広告とは異なり、皆様の店舗が持つストーリーや情熱を、第三者の視点を通して世の中に伝えることができる、非常に強力な広報ツールです。広告費をかけずに、店舗の信頼性を高め、新規顧客の獲得やブランディングに大きく貢献する可能性を秘めています。

多忙な日々の店舗運営の中で、新たな情報発信に取り組むことは簡単なことではないかもしれません。しかし、皆様が料理や空間に込めている「想い」は、必ずメディアの心、そしてお客様の心に響くはずです。

まずは一歩踏み出し、自店の「ニュース性」を見つけ出し、本ガイドでご紹介したテンプレートやコツを活用して、プレスリリースを作成してみてください。そして、最適なメディアに届け、皆様の素晴らしい「お店」の魅力を、より多くの方々に伝えていきましょう。

この実践ガイドが、皆様の店舗の新たな可能性を切り開く一助となれば幸いです。

詳細はお問い合わせください

「具体的なプレスリリース作成のサポートが欲しい」「自店のどこにニュース性があるのか、プロの視点でアドバイスが欲しい」といったお悩みをお持ちのオーナー様は、ぜひ一度ご相談ください。現場上がりの経験を活かし、皆様のビジネスに寄り添った伴走型のサポートを提供いたします。

詳細はお問い合わせください。

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