目次
1. “なんとなく続けてる”は一番危ない
店を畳むとき、多くの経営者はこう語ります。
「売上はまだあったんやけど…なんとなく、もう限界かなって」
しかし、飲食店が潰れる理由は、“売上”ではなく“経営構造”のほうにあります。
しかもその崩壊は、音を立てて壊れるというより、じわじわと“静かに”進行するのが特徴です。
2. 崩壊する飲食店に見られる3つの兆候
実際に多くの現場で見られる“潰れる前兆”は、意外と共通しています。
✅ 1. 給料が遅れ出す
これは単なる「お金が足りない」だけの話ではなく、資金計画の甘さや利益構造の理解不足の現れです。
✅ 2. オーナーが店に来なくなる
「忙しいから」ではなく、「現場を見るのが怖い」から。
経営に対する自信がなくなった瞬間、現場からオーナーの存在が消えます。
✅ 3. 清掃が行き届かなくなる
これはスタッフの“心の乱れ”です。
お客様は、トイレや床の汚れに「この店、終わりかけてるかも」と直感的に気づきます。
3. 表面的な問題ではなく「構造の崩壊」
これらの兆候はあくまで“結果”にすぎません。
もっと深い“根本原因”が、その裏に潜んでいます。
- 📉 PL（損益計算書）を理解していない
- 🤯 感覚だけで経営している
- 🧭 戦略がなく、目先の売上に追われている
つまり、「数字が読めない」ことが原因で、正しい意思決定ができていないのです。
これは経営ではなく、“気合いで乗り切る現場運営”に過ぎません。
4. 経営再建に必要な5つのステップ
潰れかけた店を立て直すのに、奇抜なアイデアは必要ありません。
必要なのは、基本に戻ることです。
▶️ Step1：PLと限界利益を“％”で見える化
「売上いくら」ではなく「利益率何％」で捉える。
材料費・人件費・家賃が何％かを掴むことが、全ての基礎になります。
▶️ Step2：売上公式を再設計（客数×単価×回転率）
- 客数を増やすための導線は？
- 単価を上げるセット設計は？
- 回転率を上げるオペレーション設計は？
こうした数式化が、再建の地図になります。
▶️ Step3：清掃・接客の品質を「習慣化」する
指示ではなく仕組み化。
ルール化とスケジューリングが、現場の安定と信頼を作ります。
▶️ Step4：外部の“脳”を借りる
経営者は孤独です。
だからこそ、数字を読める第三者（コンサル／顧問／仲間）と話す場が必要です。
▶️ Step5：最悪のケースを先に考える
「撤退＝失敗」ではありません。
むしろ、再起のための準備です。
やめ時を見極められる人こそが、本当の経営者です。
5. 実際によくある失敗例とその背景
例1：Uber比率が5割超えたテイクアウト専門店
→ 売上があるのに利益が出ない。手数料で首が締まる。
例2：SNSマーケに頼りすぎたカフェ
→ フォロワー数は増えても、来店につながらない。施策の効果検証ができていなかった。
例3：2号店出店後に現場が崩壊
→ 人材育成とルール整備が追いつかず、オーナーが“何も見えていない”状態に。
6. まとめと行動のご提案
飲食店は、売上がないから潰れるわけではありません。
「考えず、見えず、設計していない」から潰れていくのです。
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