“前月比120%”はもう古い。飲食店の売上目標は“構造”から逆算せよ

1. はじめに:数字が残らないのは“頑張り不足”のせい?

「売上は伸びてるのに、なんでお金が残らへんのやろ?」

そんな疑問を持ったこと、ありませんか?

料理も接客も真面目にやってる。集客もSNSも頑張ってる。
なのに、利益が思ったより残らない――。

それ、「目標の立て方」そのものに原因があるかもしれません。

2. よくある誤解:「前月比目標」は危険な落とし穴

「とりあえず前月より20%アップを目指そう」
「前年比120%はいきたいよね」

飲食店ではよくある会話ですが、これは非常に危険な発想です。

なぜなら、売上は気合や勢いで決まるものではなく、「構造」で決まるから

どれだけお客様を呼んでも、席数が足りなければ回せません。
提供が遅れればクレームが出て、リピートにもつながらない。

目標設定が現場を壊す――それが「前月比型」の最大のリスクです。

3. 売上は“構造の結果”である

▪ 売上は3要素でできている

コピーする編集する売上 = 客数 × 客単価 × 回転率

この方程式を理解するだけで、売上は“伸ばすもの”ではなく“設計するもの”になります。

▪ 「伸ばす」前に「分解」する

  • 客数が限界なら、単価や回転率を見直す
  • 単価を上げるなら、原価や提供体験を強化する
  • 回転数を上げるなら、オペレーション改善が必要

つまり、売上は“感覚”で追うものではなく、“構造”から攻めるものなのです。

4. 限界がある:キャパシティを無視すると現場が壊れる

たとえば、

  • 席数:12席
  • 1回転:40分
  • 平均客単価:2,200円
  • 営業時間:5時間

この条件なら、回転率は最大3回転程度。
12 × 3 × 2,200 = 79,200円/日(理論値)

いくら集客を頑張っても、スタッフが足りなければこの限界を超えられません。

それを無視して「前月よりもっと!もっと!」と煽れば、
現場は崩れ、ミスが増え、クレームが出ます。結果、客数が減ります。

5. 売上目標の新常識:逆算設計とは?

▪ ステップ1:利益から逆算する

まず「月に30万円の利益を残したい」など、ゴール(目的)から設定します。

▪ ステップ2:粗利率から必要売上を出す

仮に粗利率が65%なら
30万円 ÷ 0.65 ≒ 46万円が必要な売上です。

▪ ステップ3:席数・回転率から理論上限を見積もる

たとえば、

  • 席数:10席
  • 回転率:2.5
  • 客単価:2,000円
  • 営業日数:25日

→ 10 × 2.5 × 2,000 × 25 = 125万円(理論上限)

この中で「現実的な範囲」を見極めれば、達成可能な目標が見えてきます

6. 現実を踏まえた“幅”を持つ目標へ

  • 天気が悪い日
  • バイトが1人休んだ日
  • 材料の仕入れが不安定な日

毎日同じように売れるわけではありません。だからこそ、

「売上目標は1本線」ではなく、「幅(レンジ)」を持たせることが大切です。

たとえば:

  • 最低ライン:40万円
  • 目標ライン:50万円
  • 上限ライン:60万円

このように、現実と理想のバランスを取ることで、目標の達成率は高まり、現場も安定します。

7. 高すぎる目標はモチベーションを壊す

届かない目標が続くと、人はどうなるか。

答えは簡単です。
「頑張っても無理やん…」と、やる気を失います。

一方、根拠のある数字で設計された目標は、達成したときの納得感がまったく違います。
スタッフにも共有しやすく、チームの動きがそろいます。

8. まとめ:数字は“設計”できる

数字は、がむしゃらに追いかけるものではありません。
構造を理解し、逆算し、設計するものです。

“売上がすべて”ではありません。
“利益が残り、現場が回り、続けられること”がすべてです。

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